スキーのジャンプ競技でよく聞く「K点」、意味ご存知ですか?
いやいや「危険(kiken)な点」ではありませんよ(笑)。
確かにもともとはドイツ語の「極限点」の頭文字(K)から採ったん
ですが、実は96年にこっそりルール改訂されてます。
今は「建築基準点」の頭文字だそうで。って字、一緒だし(笑)!!
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先週は諸事情により、うっかりマタギキをお休みしてしまいました
さて冬季五輪ネタはまだまだ続きます。
ジャンプ競技はけっこう人気がありますよね。
多くの方が、「K点越えだーっ!!」とか「テレマーク」とか
耳にしたことがあると思います。
ま、ここではテレマークはいったん置いといてK点の話を(笑)。
私も「(これ以上飛ぶと)危険な(地)点」のことかと思ってたんですよ。
いや、さすがに「kiken点」とまでは思いませんが雫
何でそんな風に思ってる人が多いかというと、
もともとはそういう意味だったからです。
ドイツ語の「Kritisch」(“極限”の意味)が、そもそもの「K点」の“K”。
表すところはすなわち、「これ以上先に飛ぶと危ないとされるポイント」。
これには何m地点という決まりはありません。
ジャンプ台によって異なります。
昔は、最も飛距離の長い選手でも着地地点がK点を越えないように、
大会運営側はスタート地点の高さ、助走路の長さを調節して設定していました。
しかし技術やウエアの進歩により、K点を越えるジャンプも可能に……。
実質、もとの極限点としてのK点は無意味になってしまったんですねー(笑)。
そこで1996年。
こっそり国際ルールが改定されます。
いや、ほんとは全然こっそりじゃないんですけど(笑)。
これまでの「極限点」という定義を改めて、「ジャンプ台を設計・建築する際の基準にする点」、
ドイツ語で“建築基準”を意味する「Konstruktions」ということになりました。
何でわざわざ同じ頭文字の言葉を持ってきたのか。
偶然なのか意図的なのかはわかりませんが……。
それ以降、K点は越えちゃいけない場所から、越えなきゃ得点にならない
場所に変わりました(笑)。
でももちろん飛びすぎはいけません。
かつてのK点(極限点)に当たるものとして、「ジュリーディスタンス」があります。
もちろん現在のK点(建築基準点)より遠くに設定されてます。
ここを越えるようなジャンプが出た日には、関係者があわてて
競技の続行について審議をします。
本当に危険なわけです。
どんどん滑空、着地技術が上がっているため、飛距離はどんどん伸びます。
そこで安全を考えて、選手の飛び過ぎを抑えるルール改正も行われています。
たとえば、長野五輪のころはなるべく風を受けられるよう、みんな
ダボダボのウエアを着ていましたが、今では禁止されてます。
別に流行が終わったわけではないのでご注意を(笑)。
というわけで今週のマタギキは以上……
おっとテレマークを置きっ放しでしたね(笑)。
ジャンプの着地姿勢を称して「テレマーク」と言ってますが、
あれは何かの「マーク」を表しているんじゃありません(笑)。
スキーの用具やスタイルの形式で、元はノルウェーの地名(テレマルク)です。
ちなみに板につま先だけを固定したものを指すらしいです。
着地のときに取るテレマーク姿勢とは、テレマークスキーにおける
ターンの姿勢という話ですよ。
ではでは。
<文責・秋田大介>
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