1.虎の尾を踏む 2.前門の狼、後門の虎 3.虎に翼
4.騎虎の勢い 5.三人市虎を成す 6.虎を野に放つ
7.虎狼より人の口おそろし 8.虎は千里を行って千里を帰る
9.虎の巻 10.虎は死して皮を残し、人は死して名を残す
少しマイナーなのを選んでみましたが(笑)、幾つわかりましたか?
↓ ↓ ↓
本当に虎にまつわることわざってたくさんあります。
ではでは早速、上に挙げたものを順に解説していきましょう。
1.虎の尾を踏む
<<意味>>
非常な危険を犯すたとえ。無謀極まる行動に出るたとえ。
また、不可能なことをしたり、大それた望みを持ったりするたとえ。
本来は「危うきこと虎の尾を踏むが如し」。
<<解説>>
……の必要はないですね。
そりゃあ、危ない(笑)。
<<類義語>>
竜の髭を撫で虎の尾を踏む
虎の口へ手を入れる
虎穴を探る
逆に「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」などとも言いますが……雫
2.前門の狼、後門の虎
<<意味>>
一つの災難を逃れたかと思う間もなく、次の災難にあうこと。
災難や危害が次々と襲ってくること。
<<解説>>
これもイヤな状況ですねー。
想像してください、絶望的な状況です(笑)。
<<類義語>>
虎口を逃れて竜穴に入る
一難去ってまた一難
3.虎に翼
<<意味>>
もともと実力のある者にさらに力がそなわることのたとえ。
もとから勢いのあるものに、より力を加えて一層勢いづかせること。
<<解説>>
ただでさえ虎は強いのに、翼まであったら無敵です。
「鬼に金棒」なんて類義語もありますが。
こっちの方がかっこよくて私は好きです(笑)。
<<類義語>>
虎に羽
虎に角
4.騎虎の勢い
<<意味>>
虎に乗ってしまった者は、降りたくても降りらない。
転じて、ものごとの行きがかり上、途中でやめられなくなること。
物事に勢いがついて途中で止めにくいこと。
また、止めてしまうとむしろ害を受けること。
成り行きにまかせるという意にも使われる。
<<解説>>
もう、そのまま行ってしまえ~っ!!
ってことです(笑)。
「破竹の勢い」なんて言葉もありますね。
これは、竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいこと。
似てますが、「騎虎の勢い」の方が、どことなく受け身な感じがします。
もう、こうなってしまったからにはしかたない、みたいな。
ものすごく勢いがある「毒を食らわば皿まで」といったところでしょうか(笑)。
5.三人市虎を成す
<<意味>>
1人が、町に虎が出たといっても信じられないが、3人もそう言うと
聞いた人は信じるようになるということから、嘘や噂も多くの人が言えば、
本当のこととして信じられるようになってしまうこと。
<<解説>>
なかなか示唆に富んだことわざです。
都市伝説の類もこうやって、まことしやかに流れていくんでしょうねえ(笑)。
<<類義語>>
市に虎有り
三人虎を成す
市虎三伝
曾参(そうしん)人を殺す
曾参は、孝行息子で有名な人。
その母親に「曾参が人を殺した」と言う者があった。
最初は「あの子はそんなことしません」と否定していた母親も、
何人もの人からそう聞いて、ついには信じてしまったというお話です。
6.虎を野に放つ
<<意味>>
災いのもとになる危険なものを除かないで、あとに災いを残すこと。
また、いずれ権力や武力を振るうに違いない人物などを、
自由に活動できる状況下におくことのたとえ。
本来は「千里の野に虎を放つ」。
<<解説>>
私はこのことわざを見るたびに、平清盛が情にほだされて
幼い源頼朝を殺さなかったことを思い出します。
しかも流刑先は武士の本場・関東に近い伊豆。
結果的には「虎に翼を与えて野に放った」ようなもんでしたねえ。。。
7.虎狼より人の口おそろし
<<意味>>
虎や狼なら防ぎようもあるが、噂や中傷は防ぎようがなく、恐ろしいものだということ。
悪口から身を守ることの難しさをいう。
<<解説>>
虎がどんなに恐ろしい動物でも、人間の方が怖いという……
まあ、言いえて妙かもしれませんね
<<類義語>>
人の口には戸が立てられぬ
口さがなきは下衆の常
人の噂は倍になる
衆口、金をとかす
8.虎は千里を行って千里を帰る
<<意味>>
(1)虎は1日に千里の距離を走り、千里戻ってくることができるほど、
すぐれた行動力を持っていると考えられていた。
転じて、人やものの勢いが非常に盛んな様子のたとえ 。
(2)虎は1日に千里の距離を走るが、巣穴にいる自分の子供を思って
また千里を帰ってくる。
転じて、子を思う親の情愛がきわめて強いことのたとえ。
<<解説>>
実際には、虎が千里を走破することはありません(笑)。
9.虎の巻
<<意味>>
中国の兵法書 『六韜(りくとう)』 の中の編名 「虎韜(ことう)」 から出た語。
(1)兵法の秘伝を記した書。転じて、芸道の奥義を述べた書。
(2)教科書などの内容を簡単に解説した参考書。講義の種本。
<<解説>>
『六韜』 は周の呂尚(=太公望)の著とされるが、おそらく後世の贋作(笑)。
「虎韜」 は、危機に臨んでも決して相手を恐れぬ方策を説く。
なお、『六韜』 は我が国の上代に伝来して、歴代の兵法家の法典とされた。
「虎の巻」ってすごく日本語っぽい言葉。
なのに、もとをたどれば中国の古代の本だったんですねえ。
10.虎は死して皮を残し、人は死して名を残す
<<意味>>
虎が死後に美しい毛皮を残すように、人もまた死後に立派な名を残すよう心がけよということ。
<<解説>>
そうありたいもんですが、我々凡百の者にはなかなか難しいですねえ(苦笑)。
心がけだけは立派でありたいもんです。
虎の皮に関するまったく別のことわざもあります。
「羊質にして虎皮す」
意味は、中味は羊でうわべだけが虎のこと。
実質が平凡であるのに外観だけが立派なこと。
うへえ、それはイヤだなあ(笑)。
「羊の皮をかぶった狼」なんて言葉もありますが、逆はいかにもカッコ悪い。
ちなみに、他にも虎を使ってダメな奴を表す言葉が幾つかありますのでご紹介。
◆「虎の威を仮(か)る狐」
これは有名ですね(笑)。
◆「虎を画きて狗(いぬ)に類す」
素質もないのに優れた人の真似をして軽薄になってしまうこと。
◆「猫は虎の心を知らず」
小人には大人物の心はわからないというたとえ。
◆「暴虎馮河(ぼうこひょうが)」
力量や物事の後先を考えず、血気にまかせた行いのたとえ。
せっかくトラ年なんですから、狐や猫にならないよう気を付けたいものです・・・
今回はえらく長くてすいませんでした(笑)
<文責・秋田大介>
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